ボディビル界最大のイベントであるミスター・オリンピアが、先週末の10/10~13に開催されました。今回はオープンクラスの結果を紹介します。
目次
オープンクラス 結果
オープンクラスの結果は以下になりました。
- 優勝:Samson Dauda
- 2位:Hadi Choopan
- 3位:Derek Lunsford
- 4位:Martin Fitzwater
- 5位:Andrew Jacked
- 6位:Hunter Labrada
- 7位:William Bonac
- 8位:Rafael Brandao
- 9位:Brandon Curry
- 10位:Akim Williams
優勝:Samson Dauda
優勝はSamson Dauda(サムソン・ダウダ)でした。
記念すべき第60回目のオリンピアで、前年・一昨年のチャンピオンを下し、見事優勝を果たしました。彼の今回のコンディションは、昨年のオリンピアを上回る素晴らしいものでした。高身長で迫力を出すのが難しいと言われる中、今回はその身長がステージ上で有利に働き、圧倒的な存在感を実現していたと感じます。
ミッドセクションに関しては、ハディやデレクほどタイトではなかったものの、しっかりとコントロールされており、タイトさを犠牲にして得たバルクは目を見張るものでした。特に今回、彼のアウトラインは非常に素晴らしく、ミスターオリンピアにふさわしい迫力を備えていたと感じます。
予選からサムソンは勢いに乗っており、比較審査でもセンターに移動する場面が見られました。全体を通して、彼の流れを感じさせる素晴らしいパフォーマンスでした。
2位:Hadi Choopan
2位はHadi Choopan(ハディ・チョーパン)でした。
ハディはアーノルドクラシックでの優勝時と同様に、サイズとコンディションの両面で素晴らしい仕上がりを見せました。特に予選から際立っていた絞り具合は、早くから優勝を予感させるものでした。特にフロントポーズでは、均整の取れた腹筋や全身の彫刻のようなバランスが非常に素晴らしかったです。
正直なところ、サムソンとの戦いは非常に拮抗しており、最後まで優勝者の予想がつきませんでした。実際にスコアカードを見ると、サムソンは14ポイント/ハディは17ポイントと、その点差は非常に僅かで、接戦であったことが分かります。しかし、今回はサムソン・ダウダもサイズと絞りの両面で優れており、さらにそこにアウトラインの迫力が加わり、最終的には彼に押し切られた印象です。
3位:Derek Lunsford
3位はDerek Lunsford(デレク・ランスフォード)でした。
デレクは昨年と比べるとコンディションがやや甘く、全体的にソフトな印象を受けました。特に上半身のバスキュラリティが弱く感じられ、ハディとパッケージが似ていることもあり、コンディション面での比較が際立ってしまった印象です。彼はハニー・ランボットの指導を受けており、コンディションに問題が生じることは本来少ないはずであるため、この問題はデレク自身の遺伝的特性が影響していると感じます。
しかし、背中の完成度は群を抜いており、特に広背筋下部の発達は素晴らしく、この部分に関しては間違いなくトップレベルでした。
4位:Martin Fitzwater
4位はMartin Fitzwater(マーティン・フィッツウォーター)でした。
若干27歳で初出場となった今大会で、見事4位に輝きました。彼のプロポーションは非常に素晴らしく、特にこの年齢でここまでの完成度を築き上げている点は驚異的です。 また、力を入れた際に全身に現れるストリエーションは、彼の大きな強みだと感じました。
2ヶ月前のゲストポーズでは、個人的に体脂肪率がやや気になり、オリンピアに間に合うか心配していましたが、それは杞憂に終わりました。今大会では抜群のコンディションを見せ、3位のデレクに肉薄するほどの接戦を繰り広げていたと感じます。 ただデレクと比較すると、各部位のメリハリがやや弱く、大味に見える部分もありました。ここは経験を積むことで今後の改善が期待されます。
5位:Andrew Jacked
5位はAndrew Jacked(アンドリュー・ジャックド)でした。
アンドリューは昨年と比較して大幅にサイズアップを果たしましたが、オリンピアのトップ選手と並ぶと、まだサイズ不足を感じてしまいました。彼は身長187cmとかなりの高身長のため、迫力を出しにくい部分があるのが残念ですが、一方でプロポーションの良さではやはり群を抜いていました。
コンディションについては、先日のTexas Proと比較してやや甘い印象を受けました。特に臀部のストリエーションがあまり感じられず、ピークを合わせ切れなかったという印象です。
まとめ
今回のサムソンの優勝は本当に素晴らしく、納得のいく結果でした。また、優勝発表後にウィリアム・ボナックが彼に駆け寄る姿にも感動しました。一方で今回は非常に接戦が繰り広げられ、優勝者を予想するのが難しい試合展開となり、非常に見応えのある大会であったと感じます。